羽毛が死ぬ。羽毛布団の寿命

羽毛布団の中材の羽毛にも寿命がある。一生ものではないな。

7〜10年間隔で布団から羽毛を出して、洗って殺菌乾燥して新しい側生地に吹き込み直す・・・こうしたリフォームをして使えば30年はその機能は変わらず使うことが出来るね。

よく羽毛は刈り取ってしまったら機能も死んでしまうのでは?・・・という質問を受けることがあるが、天然素材は、刈り取った後、また布団の素材になった後も、その素材としても機能は変わらない。
木を考えていただければ分かるように、切り倒されたら木としての寿命は終わるが、何十年も呼吸し続けるよね。
寝具の天然素材も全く同じこと。生物としての寿命は終わるが、素材の寿命は続くわけ。

羽毛布団に限らず、寝具類は、使っている時にはほとんど傷まない。収納している時に傷むんだよね。
特に羽毛は、湿気と通気がなければ呼吸が出来ず早く傷む・・・というか、死ぬと行った方がいいかも。
だから、収納は出来るだけ短期間にし、通気性のあるものに入れて収納することが大事だ。

羽毛布団はどれだけ潰して空気を抜いても大丈夫。復元する(安価なものはNGだけど)。
だから、寝袋を丸めるように、身体で体重をかけて空気を抜きながら丸め、古いシーツや風呂敷に包むか、ピロケース(封筒タイプ)に入れるのが一番いいね・・・オレはピロケースに入れてるわ。
そして、収納は押し入れに入れているものの一番上に・・・下積みは厳禁ね。

布団圧縮袋は、羽毛が呼吸できないのでNG。説明書には、フェザー(羽根)の芯が側生地を突き破って穴をあけてしまうからNG…などと書いてあるが、素材が呼吸できないから使用不可というのが道理だろう。
ただ、羽毛以外のウールや綿わたの布団や座布団も、ポリエステルのクッションなども、100%元のカサに復元することはないよ。これは実験済み^^;;
それは、家庭の掃除機では袋の中が100%真空にはならないからだ。
若干でも空気が入っていると、ただ単に下積みされ潰されて保管されるのと一緒だからね。
災害用の備蓄品の毛布などのように、専門の機械で圧縮すれば、ブロックと同じくらい硬さになるくらい真空にできるが、そこまで抜かないと圧縮はかえって寝具をダメにしてしまう。

写真は、新しい羽毛と、同種をオレが実験として2年間湿気のある瓶の中に入れ、密閉して呼吸をさせないなかった羽毛。
見るからにベタッとした感じですよね。左は触ると弾力もなく、ザラッと粉っぽい感じがする。
これ、でもオレもかなりビックリしたんだよね^^;;
“羽毛が死ぬ”ってどういうことなのかなぁ〜ってことでやってみたが、まさかこんなになるとはねぇ〜^^;;

これは実験ですから極端だが、羽毛が機能を失い死ぬということは、ヘッダーの写真でも一目瞭然だよね。
通常布団の中は見られないので、以前よりカサがなくなった…などの変化は、中材の羽毛が死に近づいているということ。

限りある資源である天然素材を利用して我々は暮らしている。その素材の寿命が全う出来るよう、長く付き合っていけるよう、使い方、特に収納には気を使わないといけない。

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