羽毛布団はなぜ “水鳥100%” しか使わないのか

羽毛布団やダウンジャケットの品質表示は必ず「水鳥100%」と表示されているが、それは、水鳥しか使わないから…ということではなくて、水鳥しか使えないからなんだよねぇ。

なぜ、陸鳥は使えないのか・・・
1)陸鳥は羽毛(ダウン)をほとんど備えていなく、羽根(フェザー)だけ。
2)陸鳥のフェザーの幹羽軸は、鳥の筋肉組織が入り込んでいる…つまり羽根の芯に  脂肪が入っていて腐食することがある。

ニワトリなどの陸鳥を使わないのはこの2点が理由。

余談だが、もしこれが腐ると何とも言えない臭い(いい香りという事でなくて^^;;)を放つ・・・タンパク質の腐敗臭だから、たまごの腐った臭いとかみたい(==;;

30年前はずいぶん臭いの相談があった中で、このチキンフェザーの腐敗臭が原因だったが、その後、わざわざそんな危ない橋を渡らずとも、処分する羽毛を再度洗って使ったり、羽根をミキシングして小さくして手触りをよくしたりと、いろんなやり方で粗悪品を作る方法ができたので、あまり見かけなくなったが。

ちなみに、ホームセンターや量販店の羽毛系の商品の近くを歩いてるだけで、羽根臭い臭いがすることがあるが、これは中材の羽毛や羽根を完璧に洗い込んでいないからだ。
特に中国製は、水が綺麗でないのでそういうことになるね。

しかし、ここ数年の羽毛の高騰で、チキンフェザーが混ざっているものが結構出回っていて、オレも頻繁に工場にチェックに行くようにしているわ。
水鳥のフェザーは根元が立体的に広がっているが、陸鳥のフェザーは絵に描いたように平面的なんで、工場に置かれている原料をみればすぐ分かる。

実は、チキンフェザーより未熟ダウンや粗悪ダウンなど、今まで選別して廃棄されているものも混合されてる原材料もあり、また近くにそういうものが置かれていると、仕立てる際に混ざる恐れもあるので、依頼している工場がそういうものに扱っていないかどうかを確認する意味でも工場チェックは布団のチェックよりも重要なオレのバックグラウンド作業。

工場は、複数の依頼先から生産を委託されているので、万が一、その時期そういう材料が置かれていたらどうするか・・・即、取引中止で他の工場に移すね、オレは。
過去、違う理由だが、前例があって今の工場に移してるから、オレは納得いかなかったら必ずやることがわかっているので・・・脅してるわけではないけどw

オレの店の一番のお客様はオレなんだよw・・・だから妥協しないし、妥協できない^^;;;
アル・ジャブルというオリジナルブランドを作って27年ですが、オレの作ったものは定価でしか買った事がない。
だから、買って損した気分になるのは絶対に嫌なんだわねぇ〜^^

でも、楽しいわ!眠り好きにとって、眠具を扱う仕事って^^v

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