【羽毛布団を使い倒す、着倒す】リフォームして得な布団、損な布団

<画像は羽毛布団をリフォームして除去した羽毛の垢など。>

羽毛とは・・・

簡単に羽毛を説明すると、羽毛(ダウン)は、体温と外気温の差を感じ取って、寒ければボール上の綿毛を伸ばして拡大してカサを出し、保温性を高め、温度差がないあたたか陽気だと、収縮して間隔をダウン同士の感覚を空け、通気性を取ったりするのが機能が最大の特徴だ。

ご存知のように、中材の羽毛に使う水鳥は、グース(ガチョウ)とダック(家鴨)の2種類あり、どちらも食肉用の副産物としてその羽毛や羽根を利用する。

グースはフォアグラ、ダックは食肉用として飼育されているので、飼育期間が違うため、グースは身体の大きさだけでなく、優れた機能とカサ高性を持っている。

ダウンは、グースからは5〜10g程度、ダックからは20〜30g程度のしか採取できない(ダウンの10gは結構なカサがあるが^^)ので、1kgの羽毛布団として、グースなら100〜200羽、ダックでも33〜50羽くらいの鳥を使うという事になります。
実際には行程の中で不純物を除去するため、もっと必要となり、他の素材の布団と基本的に中材の希少価値が違い、「特別な布団」ということになる。

なぜ、リフォームをしないといけないのか?

羽毛の中材としての寿命は30年・・・決して一生ものではない。
その寿命を全うさせるために、定期的に解体、洗浄、殺菌乾燥、不純物の除去を行い、仕立て直しをする・・・これが羽毛布団のメンテナンスであり、”羽毛布団のリフォーム”。

長期間なにもしないと羽毛特有の機能が衰えてなくなる…つまり寿命を早めということになる。

一般的には5〜6年の使用期間でのリフォームを言われているが、オレが実際に多くのお客様のお使いの布団を見た経験上、ちゃんとした羽毛布団であるなら男性が使っている布団で5〜7年くらい、女性が使っている布団だと8年〜10年くらいでのリフォームでいいように考えている)。が、その方の体質や使い方、収納状況などによって変わるね。

羽毛を傷める原因・・・

羽毛にダメージを与えるのは、寝ている間にかく汗が一番の原因です。
汗に含まれる尿素・タンパク質・塩分・脂肪・汚れなどがダウンに付着し、ダウンを硬め、温度差による収縮拡大が出来ない様な状況…呼吸ができないのと同じ状況を起こしますので定期的なリフォームが必ず必要です。
また、使用中の摩擦で、ダウンの綿毛が切れたもの(カバーの掛け替えの時に小さな羽が飛ぶのが切れたもの)と、羽毛や羽根の垢(人の垢と同じ)がはがれたものを除去することも目的としています。

リフォームとは具体的に何をするのか?

お預かりした羽毛布団のキルトの側生地を裂いて、中材の羽毛をすべて取り出す解体をし、リフォーム専用のボックスで約75℃の蒸気で洗浄後、高温で殺菌乾燥させる。その後、ボックス内にオゾンを発生させ、切れた羽毛やホコリ、不純物を排除して、新しい側生地に吹き込み直して布団として再生させるのがリフォームだ。

よほどダメージが酷いものは、高温蒸気での洗浄ではなく、新毛を洗うドラム式の大型洗浄機で何度か洗う別タイプのリフォームもあるが、こちらは高額になるので新品に買い替えとの比較してみる必要がある。

リフォームが得か、買い替えが得かの目安

ースの羽毛を使っているもので、リフォームの金額が買った価格の1/2〜2/3以下であれば、絶対やるべきでだろう
また、同レベルの羽毛でも、昔の素材の方が良質な場合もあるから勿体ない・・・使い倒してほしいね。
ダック(品質表示に”グース”が明記してないものはすべてダック)の羽毛を使っているものは、ダウン80%以上の布団ならばリフォームしてもメリットはあるが、80%以下ならブッチャケ買い替えた方が良いと思う。

リフォームの費用はどのくらいか?

オレがやらせていただく場合はシングルで35,000〜50,000円くらいだが、ネットなんかで見ると20,000円くらいからある。
生地によって価格は変わるが、本当の意味で機能を再生させるなら、生地もしっかり選ばないとね。重かったり、触るとガサガサ音がする生地はリフォームとはいえNG、オレはAl-jabrのレギュラー生地をリフォームでも使ってる。

いずれにせよ、リフォームはそう安価ではないので、買われたときの値段を考えて検討すべきだろうな。「特別な布団」でなければ、勿体ない精神は生きないわ。

元々、日本には着倒す・使い倒す文化がある。自然素材に敬意を払って、大事に最後まで使わせてもらうという思想だね。この文化、もう一度見直さないといけない時代になっていると思う。

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