「鯛焼き」を食べるときに、頭から食べる?尻尾から食べる?
どっちから食べてもいいじゃんか・・・これ、今の生活文化ではその答えで正しい。
でも、本来の鯛焼きができた目的からするとそれではダメで、ちゃんと食べ方に決まりがあったようだ。
鯛焼きには目的に合った食べ方がある
「鯛焼き」は、昔は大工さんや植木職人さんなどがおやつの時間に小腹ふさぎで片手で食べる駄菓子として売られていたようだ。
だから、お茶要らずで食べるのを前提に、頭から胴体までは餡を入れ、尻尾には餡を入れず、食べた後に尻尾部分で口の周りの甘みを拭き取りった後、口に放り込んで口直しをする食べ物だったらしい。だから、「鯛焼き」は頭から食べるものだったんだね。
それが伝統で「鯛焼き」の本流とすると、尻尾には餡を入れてはいけないわけだが、近年ではお茶を飲みながら食べるお菓子になり、尻尾までハチ切れんばかりに餡を入れた鯛焼きが本流ではないにせよ、並んでまで買いたい鯛焼きになるってことだ。
生活文化が変われば本流も偽物になる
いくら「うちは昔ながらの本流の鯛焼きだ!」といったところで、それが今の生活文化・様式からずれていたらダメのレッテルが貼られて師事はされない。
尻尾まで餡がビッシリ入っている鯛焼きには行列ができ、本流の尻尾には餡を入れない鯛焼きは閑古鳥が泣いている・・・もし本流をそのまま継承するなら食べ方を教えないとね。鯛焼き喰う時はお茶を飲まないでって、ちょっと無理っぽいけどね^^;;
これは「鯛焼き」に限らず、どんなもの一緒のことが言えそうだ。
要するに、「本流」は時代の用途に応じてスタイルを変化させないと終わるということだろう。
「伝統」は昔からの材料を使い、踏襲された作り方で作られるものだ。
しかし今の生活文化にには粗ぐわないモノや技術であれば「伝統」という言葉で保護されているだけのようにオレには思える。
今の生活にも普通に溶け込んでいるものはあえて伝統などとはいわないしね・・・漬物、豆腐、梅干しを伝統食品なんて言わないしね。
布団は衾(ふすま)から蒲団(ふとん)になり布団と何気に変化して今の様式になっているんだろうね。
鯛焼きもなかなか深いな〜^^
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