北海道の7歳児の置き去りは1週間の時間の経過後に無事という最良の結果となり、ほとんどの方がホッと胸を撫で下ろした事だと思う。
自衛隊の演習場の鍵が開いていた事・そこの水道水が飲めた事、そして建物内に厚さ10cmほどのマットが複数枚あったことの3点が子供の命を守った重要点として上げられている。
出典:yahooニュース
行方不明の間の気温も低く、雨の日もあり、大人より外気温の影響で体温が下がり易い子供に取っては生死に関わる環境だったんだと思うが、マットの間に挟まるようにして寒さを凌いでいたということのようだね。
自衛隊の寝具類は特別なものでもヘビーというだけのものでもなく、とても安価なもの・・・新しい素材や高級素材を使ったものではない。
掛布団で6,400〜12,100円(平成18年)くらいだから、マットもその程度のレベルのものだろうね。
また調達コストの低減が目標に掲げられているみたいなので、現在も差して変わらないレベルの寝具だと思うわ。
写真を見る限りマットはかなり柔らかめのようだ。そして10cmとやや薄手・・・これが良かったのかもしれないな。
敷したマットには身体が沈み込み、掛けたマットは身体に覆い被さる様に密着する・・・これが寒さから身を守れたんだと思うわ。
寝具の保温は、科学素材や生産技術、異業種技術の参入などで昔とは随分変わった。しかし、その技術や素材の特質の違い、実験データーが前面に出すぎて本末転倒の感もあるように思う。これはあまりにキャッチコピーがそっち方向に行き過ぎているからかもしれないが。
本来、寝具での保温力は2点を基本にしている。
1)「空気は温まり易くて冷めにくい性質を持っている」
2)「身体との密着性で暖まった空気を逃がさないようにする」
だから、いかに「身体に空気層を纏わり付かせるか」と、いかに「体温で暖まった空気を外気と入れ替えさせないか」が寝具の保温の最も基本となることだ。
素材あるいは繊維自体の蓄温性や発熱性がどれほど優れていても、この2点が適っていなければ体感として納得できる保温力の違いは感じないだろう。
これはオレも含め、寝具の開発・生産・販売に関わるものは絶対ものづくりの根底に置かないといけないだろうし、寝具を選ぶ時でもまずこの2点を押さえている商品から選定すべきだね。
新しい技術や素材を利用する事も大事だが、「空気」を有効に利用することは保温に対する先人の知恵のというべきものだと思う。
オレは雪の日にベランダで寝て保温の体感実験などをするが、マットに挟まって寝た事はなかったな〜・・・大和くんには感謝しなければいけないね。