寝具の素材と戦争の関係

【ひとりごと】

心地よく眠る寝具。癒される部屋・・・それを提供するための寝具やインテリアに使われている素材は、実は戦争のために開発されたものが圧倒的に多い。
使う量や大きさがハンパでないのが寝具やインテリアだから、一つの戦争が終わると、必ず新しい素材が決まって入ってくる。
軍需から民需へ・・・この素材の使用の流れは昔からだね。

最近の低反発ウレタンは、もともと米ソ宇宙戦争の真っただ中に、スペースシャトルの座面の中素材として開発された無反発ウレタンだ。
無重力の宇宙では、少しの反発でも人は天井に飛ばされるので、潰れても24時間掛けて元の形状に戻るウレタンが必要だったわけだね。
それが次世代の素材に替わり、無反発ウレタンは一般で使えるよう反発度合いを若干上げて、低反発ウレタンとして市場の出回るようになった。
オレが20代後半に無反発ウレタンが某外資系の商社に入ったという事で、見せてもらって驚いた事を記憶している。

また、断熱材等で使われているグラスウールはベトネム戦争、一般的なウレタン(スポンジ)は第二次世界大戦のB29のガソリンタンクなどをガードするために開発されたものだ。

また、日本人が今も使われている和布団の”綿わた”も、戦国時代にどこで戦が始まるか分からない、戦の噂が流れると両陣営に士官を希望する浪人が集まってくる。
士官したいわけだから、先陣を切って誰よりも働こうとする気概はあるが、刀以外防具はすでに生活費に変わっている浪人がほとんど。

そのため、戦の前夜に城から馬が出て、革袋と綿の実を配り、いざ戦ではその革袋に綿の実を入れて背負い、矢避けの防具としたため、時の幕府はずっと綿花の栽培を奨励していたようだね。

安泰の時代になり、綿わたの用途がなくなったため、手始めに吉原で綿の布団を使わせ、徐々に庶民に普及していったのが流れ。旦那の格に応じて敷布団の枚数を増やす・・・こんな事もその販促の一般だったのかもしれない。
文化は風俗業が一歩進めてきたというのは今も昔も変わらないことかもね。

それまでは布団は綿ではなく、蒲の繊維などを中材に用いていたので、昔は「蒲団」という文字だったわけだ。

こう考えると、軍事開発が次の段階に入って、古くなった素材を大量消費資材を使う、寝具やインテリアでそれを使わせるのは国策でもあり、外国からの圧力も存在するのだろう。

今脚光を浴びてない大昔の素材でも、新しい素材よりズバ抜けた機能を持ってるものは多い。
たとえば、枕の素材は、頭の熱をとる意味からも、絶対的に”ソバガラ”に勝る機能の素材はいまでもないね。

オレは低反発ウレタンは一切使わないし、お薦めしない。
それは、夏の気温と冬の気温ではウレタンの硬さが違うという事・・・これは身体を支えるものの材料としては不適格だからだ。

寝具の素材は、”新しモノ好きは命取り”になるかも…買われる側も作る側も要注意なんだよね。

寝具やインテリアは一度買うと長く使うものだけに、新旧同じ土俵に上げて、その機能のバランスを検証しながら選定すべきものなんだわね。

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