羽根クッションのフェザーの臭い原因

この時期、羽根(フェザー)を使ったクッションやピローの臭いについてのご相談が増える。
それも比較的新しい…というか、買ったばかりものの方が多い。

“臭い”は、温度と湿気が高いと強くなる。臭いの分子は、湿気に乗って移動するので、梅雨から夏に掛けては特に気になる臭いは強くなるね。

例えば、飛行機の機内の温度が季節に関係なく低めに設定されているのは、様々な国のいろんな人が乗り合わせるため、体臭や装飾品、香料、持ち物などの臭いを押さえるためだそうだ。

梅雨から夏に掛けて、なぜフェザーを多く混率された寝具が臭うのか?また、逆に臭わないものがあるのか?

【考えられる”臭う”理由】

1)安価なものの場合:ほとんど国産品ではないもの、あるいはほとんどの行程を海外で行い、最後の作業を日本でやって「日本製」を表示しているものがほとんど。
この場合、原毛の水洗いの回数や度合い、洗剤などの適正の違いで臭いの有無が生じる。ちゃんと洗われていないということだね。
安価なものは、最初にここでコストを下げるので、安価な羽毛布団でも同じことが起きる。

2)中国製品である場合:フェザーのクッションのほとんどが、価格から考えても「中国製」だね。
もともと水が綺麗でないので、何度回数を洗っても原毛は綺麗にはならない。

3)欧州製品の場合:ほとんどの海外製品(現地で買ってきたもの)は、日本ほど臭いを気にしなくて作られている。
自分たちの体臭の方が強いので、入念に洗って臭いがなくなるまで・・・という基準ではないと思うわ。
日本人は無臭に近い民族だから、日本向けに輸出されているものは特別な基準で洗われているので、それは臭わない。

4)乾燥地帯の国で作られたものの場合:これが最も厄介なんだが、湿気の少ない現地では臭わなくて、湿気の多い日本に持って来ると臭いが出るというもの。これは風土が合わないということで、現地に返品しても受け付けてくれない。
まあ、現地では臭わないから仕方ないわな。

5)陸鳥が混入しているものの場合:水鳥の高騰で、陸鳥(チキンフェザー)を混ぜたものが多く出回っているが、この場合の臭いは腐敗臭だ。フェザーの根元にある脂肪分が年月とともに腐ってきた、あるいは酸化してきたというもの。

【どうしたら臭いをなくすことができるか】

オレも今までいろいろ試してきたが、家庭洗濯はもちろん、専門業者の丸洗い、オゾン水を使って丸洗いなども試してほとんど効果がなかったね。

唯一臭いがなくなるのは、側を切って中材を出して洗い、新しい側生地に吹き込んでお仕立て直しをするという行程・・・「羽毛のリフォーム」だけ
つまり、原毛段階の問題だから、高密度の側生地に入った状態では綺麗にならないという事だ。

しかし、羽根クッションは安価ものがほとんどなので、リフォームの価格の方が新品より数倍掛かる。
どうしてもそういう臭いが気になるようなら、まず日干しして、それでだめならそれなりのものだったと諦めて、廃棄して買い直すのがコスト的にも一番得策だろうね。

オレは、クッションやピローは、羽根よりウールとかポリエステルの方が絶対にいいと思うよ。

天然素材である以上、どんなに洗っても素材本来の臭いはあるので、無臭という分けないはいかないが、安物買いの銭失い・・・に気をつけてほしいわ。

 

 

関連記事一覧

お問合せフォーム

最近の記事

PAGE TOP