「睡眠」と「眠り」は意味が違う。「睡眠」は左脳的で、「眠り」は右脳的って感じのような気がする。
この二つは意味を分けて考えた方が、自分が今どっちを欲しいのかがが明確になるよ。
オレが思うに・・・「睡眠」というのは、”医学”・”生理学”の分野で、”生体メカニズム”から睡眠を解明していく方向
だよね。
体内時計や睡眠欲、体温、ホルモン分泌などなど、人がなぜ眠るのか、なぜ眠くなるのか、人の眠るメカニズムや睡眠の役割などなど、睡眠を論理的に解明している。
だから、入眠できない、眠気が来ない、途中で起きてしまう、なかなか起床できない、過眠症、SASなど、睡眠障害あるいはそれの予備軍的な症状の悩みやトラブルは、「睡眠」の分野に原因があり、解決のためには専門医の診断検査を受けて、治療が必要かどうかやそのプランは専門医が判断してもらうべきものだ。
それに比べ「眠り」は、”心地よさ”や”安心感”、”安堵感”、”肌ざわりの良さ”、”気持ちよさ”など・・・実に情緒的な満足感で、個人の趣向性によっての”快適性”という感じがして、実に非論理的な分野だね。
「眠り」は恋愛や味覚と同じような気がする。
理屈ではなく、個人の趣向が大きく、終着点がない・・・まさしく「理想の睡眠」と「至福の眠り」の違いがそこにあると思うんだよね。
“睡眠の質の向上”は、マイナスを0にし、睡眠の困難症状を改善して100点を目指すこと。
“眠りの質の向上”は、眠れているのが前提で、そこからより快適に気持ちよく眠れ、翌日のパフォーマンスを向上させること。
つまり、スタートは合格点を取れていての話、そしてゴールは100点のもっと先にあるという事だと思う。
だから、ボクが探究しているのは「眠り」ってことになるね。
充分眠ってるけど、もっと快眠したいとか、それによってさらに日中のパフォーマンス(ノーストレスでのやる気)を上げたい・・・こういう向上心が「眠り」の分野だね。
寝具はどっちのための道具なのか?を考えると、「理想の睡眠」ではなく、「至福の眠り」に関係していく道具・・・つまり「眠り」のための道具だ。
寝具はあくまでもサポートツールや維持ツールであって、治療するツールではない。寝具を変えると、○○が治る…なんてわけはないよ。
体も心も生活リズムもしっかり調整して、それを維持するために自分に合った眠具が必要ということ。
だから、「至福の眠り」という非論理的な部分を追求する道具に、「理想の睡眠」的な論理的な理屈を持ってきたってダメだ。
医学的に…とか、人間工学的に…は、”なんでこれが気持ちいいのか”というという結果があって、それを解明することはあっても、それによって至福を導き出す事は出来ないと思うよ。
なぜなら、リサートやデータを素に作られたものは、最大公約数でしかなく、誰が使っても60-70点ってところだから。
「不眠」の反対は「快眠」ではない・・・「熟睡」だよね。「快眠」は価値観のステージの話だ。
「至福の眠り」とは、100点からがスタートで、満点は無限の先ってことなんだよね。そして、あくまでも自分の満足の追求という事だと思うよ。