「羽毛布団 激安!」通販番組の決まり文句の裏解説

「羽毛布団 激安!」通販番組の決まり文句の裏解説

羽毛布団は寝具の中でも単価が高いアイテムだ。それ故にいろんなキャッチフレーズで激安を強調しする・・・TVショッピングやカタログ販売でよく見聞きするフレーズは大昔から大して変わってない。

よく使っているキャストの殺し文句的コメントには裏がある。お得な理由を言えば言うほど「この業者さん正直だな〜」と思えて楽しいよ・・・あんなに面白い番組はないw

「今回は羽毛を20%増量!」

これ特定の業者の羽毛布団には決まって出てきたりするフレーズだね。羽毛は20%程度を増量しても大して保温は変わらない(通販レベルの羽毛は、ってことね)。

ダウンは体温と外気温の差を感じ取り、寒いなら熱をキャッチしようダウンボールが大きくなる。もし良質の羽毛なら、布団の中はすし詰め電車状態になっちゃうから、その機能が発揮できない・・・保温効果は逆に落ちるということになる。

もし、カサが前回と大して変わらないのなら、今回の羽毛はまともにカサが出ないため中材量を増やしたということだ。つまり前より羽毛の品質が落ちるあるいは落としているということだね。
他の素材の布団は中材量が増えれば保温に大きく関係してくるから、その感覚で言っているのかも知れないが、自らこれは悪い布団ですって言ってるようなもので、こういうフレーズはバカ過ぎる^^

「新柄生地に入れ替えのため、この価格が実現!」

いくら新柄入れ替えでも在庫生地には仕入れコストがある。寝具の工場は繁盛していても工賃を叩かれて忙しいだけで利益が伴ってないところが多いから、在庫生地をタダみたいな価格で償却できるほど利益が出ている工場はないはずだ。
またTVショッピングの羽毛布団の発注数は最低でも1千枚はあるはずなので、もしそのくらい在庫があるなら新柄入れ替えはせずに継続柄になる。
仮に羽毛の生地メーカーが捨て値で側生地を処分するにしても、マチをつけた特殊縫製が羽毛の側生地なのでそれなりに海外縫製でも工賃は掛かっているよ。

布団の柄は流行があるわけでもないし、30ー40年前と対して柄域は変わってないから継続は間違いないだろうね。

だから正しく言いうと、生地質、縫製、羽毛の吹込み工賃、仕上げ、パッケージ詰めなど、すべての工場を叩いて叩いて叩きまくって「この価格が実現!」ってことだね。
叩かれたら手を抜く・・・それが人の性ってもんだから、一番やばい羽毛布団かもね。

「このゴウジャスな柄を見てください!」

布団の表が柄物、裏が無地なら間違いなく裏生地の方が質は落ちる。これはわたの布団も一緒だし、洋服も一緒だね。寝具の場合は表地と裏地は同じ量を使うから、裏地を極端に落とせば価格は大幅に下る場合もある。
羽毛布団は、羽毛の吹き出しを防ぐため、高密度で織った生地にさらに目潰し加工をした生地を使わないといけないのだが、安価にするため、まあまあ高密度に織った生地にシリコンコーティング材と同じような薬剤を吹き付けて羽毛が吹かないように目潰しをしているものが結構あるね。実は上位ランクの羽毛布団でもこの手の裏地が使われているものが市場には結構あるよ。
当然、通気性が悪いので掛けていると足に汗をかくくらいの温かさ(暑さともいうw)になる。柄を必要以上に強調するのは、裏の見えないところで価格を落とすということだ。
店頭で触るにしても、表は触るけど裏までは見ない人がほとんどだからね。そこにアプローチというか、付け込むフレーズなんだわね。

これが通販の寝具の現状

布団は中身が見えないものだし、原材料の羽毛・生地・縫製・吹き込み・仕上げと複数の工程・工場を辿って製品になる。沢山の人の手が関わっているからいいものも作れるし、逆に手を抜こうと思えば各工程でいくらでも抜ける・・・これが通販の寝具の現状だろう。

また稼働してナンボが工場だから、ド薄利でも受けちゃうんだろうね。オレの聞いたところの話では、50円しか利益を乗せられない工場もあるらしいから、大量発注をエサに価格を叩くだけ叩けばある程度の価格にはなるね。

ほとんどの通販向け羽毛布団は、生地、縫製、中材の羽毛はすべて中国の商社に依頼、吹込みと仕上げのみを国内でやった「日本製」だ。

日本の工場や職人さんたちがやり甲斐を感じような仕事でTVショップや通販向けの製品を生産できたらいいんだろうけどな〜・・・寝具は工場の閉鎖や廃業がまだ続いているから、残った工場はもっと大事にして共存していかないと、布団は将来すべて海外製になると思うよ。

まあ、1-2万円台の低予算なら羽毛布団は辞めてニトリのポリエステルの布団の買ったがいいと思う。ちょっと無理できるならMUJIかな。

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