前コラムでも書いたが、ベッドマット選びで重要なのは自分の「姿勢」と「体格」にマットの弾力と反発力が合うものを選ぶことだ。
ベッドは本来西洋から日本に入ってきたもの。だからベッドマットも欧米人に合わせて作られたものだ。
それが定着して今では日本国内で企画生産されているものも多い。
オレが気になっているのは国産ベッドマットと現地で販売されているものを製品として輸入されたベッドマットの根本的な違いだ。
姿勢や体格、筋肉の付き方は民族によってことなる。日本人はもともと農耕民族体型、欧米人の多くは狩猟民族体型だよね。狩猟民族体型に合わせて作られたベッドマットは農耕民族体型の日本人にはドンピシャに合わないだろうとオレは考えている。
選ぶ時にまず「本場からの輸入ベッドマットだからいい」という先入観は払拭しておいた方がいいということだ。”いい”のは品質の割に”いい”お値段ってだけかもしれないし、現実に細かく見ると仕立ても悪いし、中の素材も?ってものが使ってあったりするし。
使われてる道具を比較すれば違いが分かる
「道具はその人の目的を簡便かつ確実に行うためにできたもの」・・・これはオレの道具の定義だ。そう考えるとベッドマットも寝具も道具としての定義は同じ。
「その人」とは使う民族のことだ。民族によって筋肉の付き方も身体も違う。道具はその民族の動作や筋肉の動きに合うように作られているということ。道具を比べてみれば、習慣だけでなく姿勢も筋肉の使い方も全く違うことは容易に分かる。日本の道具と欧米の道具は違いというよりほぼすべてが真逆ということだ。
「引く」身体と「押す」身体
日本人の使う道具は「引く」という動作で目的を果たせるようになっているものが多い。逆に欧米人の道具は「押す」ことで目的を果たすものが多い。
道具で比べてみるとこんな感じだ。
●「のこぎり」:日本/引いて木が切る ⇔ 欧米/押して切れる
*カンナなどの大工道具もまったく同様。
●「剣」や「刀」:日本/引いて人を斬る ⇔ 欧米/刺すか叩いて殺す
●「穴を掘る道具」:日本/鍬を落とし土を引く ⇔ 欧米/スコップで刺し土を投げる
●「仕草」:日本/驚くと「キャッ!」で体を縮める ⇔ 欧米/「ワォ!」で体は開く
●「衣服」:日本/着物は平面裁断で縫製 ⇔ 欧米/洋服は立体裁断で縫製する
*この違いは日本/仕草重視 と 欧米/”動き重視の違いと考えられる
つまり、日本人は「引く」動作で使う筋肉が発達し「引く」動作に適すような姿勢や体になっている。逆に欧米人は「押す」動作で使う筋肉が発達し「押す」動作に適すような姿勢や体になっているということだ。スポーツ競技でも民族によって根本的に得意種目が違うのも姿勢や筋肉、骨格形成などが違うからだね。
動作の違いは日頃の姿勢にも影響する
いざという時に“引く”ためには前屈みの姿勢でないと引けないし、”押す”ためには、反った姿勢でないと押せない・・・これが日常の姿勢の違いとなる。
最も分かりやすいのは歩き姿だが、前屈み故に日本人の多くは膝が伸び切ってない状態で歩いている。欧米人のように膝が伸び切ったモデル歩きは意識してそう歩かない限りできていないね。
その理由は、日本人は先に一歩出した足に重心が移り、その出した足で地面を掻いてもう一方の足を前に移動する歩き方になる。欧米人は反った姿勢故に一歩を出しても残った足に重心は残り、その足で地面を押して前に移動させる歩き方だから。綺麗な歩き方の人は街では非常に少ない気がするわ。
綺麗に見せたい・・・これは民族関係なく女性の思いは一緒だろう。そうした民族特有の姿勢を補正するための道具がアクセサリーだとすればもっと姿勢の違いに合点がいく。
●服飾アクセサリー:
日本/後ろに加重が掛かるものが多い(帯の太鼓、日本髪、かんざし等)
欧米/前に加重が掛かるものが多い(ペンダント、イヤリング、バックル等)
また、前屈みだから日本人の杖の使い方もぎこちない。
●杖:
日本/杖に体重を預けて身体を移動する
欧米/ステッキで地面を押して移動する
これだけ体に違いがあると、欧米で販売されている輸入のベッドマットが日本人に合うとは考えにくいね。中には体格・体格からピッタリ合う人もいるだろうけど。
寝具選びは安心感をもって心地よく眠れるのが最も自分に合った眠具となる。だから、データやメーカーの理屈は関係ない。自分の感覚で感じて選ぶのが正しいので、それで輸入のベッドマットが心地よければそれでいい。ただ「輸入マットはいい!」という先入観があるなら最初に払拭しておいた方がいいということだ(欧米のデータやノウハウを用いて日本国内で作られたものも同じ)。ま、オレは売らないけどね^^w
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