中国産は粗悪品とは限らない
羽毛布団の原産地偽装問題で勘違いしてはいけない事は、偽装表示=粗悪品、あるいは中国産=粗悪品ということでは決してないということだ。
粗悪品とは、洗いが不十分で血がついたままの羽毛が混入し虫が発生したとか、使っていると羽毛が側生地を突き抜けて大量に吹き出してしまうとか、いつまでも臭いが気になるとか、全く温かくないとか・・・そういう布団が粗悪品なわけだ。
中には羽毛が臭いとか、羽毛が吹き出すなどのものも含まれているようだが、これはあくまで製造過程での手抜きの問題で、今回の”原産地表示の偽装”とは別の問題だから分けて考えないといけないね。ただ、偽装表示までするようなセコい業者ならそのくらいの行程の手抜きは普通にやるだろうけどね。
少なくとも寝具を専業にしている会社や店には歴史とプライドと今まで培ってきた信用がある。大量に売りさばいて売上づくりの一つの”弾で”あればいい的な「寝具も扱う会社や店」とは基本スタンスが違うわけだから、それらに対抗して価格競争することはお客様に結果大きなご迷惑を欠ける事になるってことだ。
買った人は損をしたのか?
中国は羽毛の原産地である事は間違いない。フランス産表示が中国産であっても10,000円で買われたものなら10,000円の布団に使われる程度のレベルのものは使っているはずだし、30,000円で買ったのならそのレベルに見合う中材は使われていると考えられるので損はしていないはずだよね。
ただ、それが理想的な機能を兼ね備えた羽毛布団かどうか別の話だ。
オレは「30,000円で布団が欲しいなら、羽毛を買うべきではない」と言っているよ。
例えばおなじ「ラーメン」でもラーメン専門店、生袋麺、カップラーメン、袋乾麺などなど
いろんな種類があり、それそれ価格帯も味も異なるが別物としてどれも美味しいし、それぞれ妥当な価格帯は違う。
この偽装問題は、カップラーメンの価格でラーメン専門店のラーメンが食べられる・・・と嘘をついて売ってしまった詐欺的行為が問題なんだよ。
結局、世の中のものはすべて「価格は伊達にはついてない」ということなんだとオレは思う。その感覚があれば、例え安価な羽毛布団でもそれなりと思って買われる訳だから今の自分のTPOとして納得して使えると思うんだけどね。