スプリングとノンコイル、ベッドマットの素材選び方には姿勢の相性がある

ベッドマットには大きく分けてコイルスプリングマットとノンコイルマットがある。よく聞かれるのは”どっちがいい?”かだ。
*「ノンコイル」とは、ウレタン系、天然ラテックス、ポリエステル圧縮わた、フエルトわた、成形わたなどを組合せてマット仕立てにしたもの。

日本ではベッドマットというとコイルスプリングマットが一般的にイメージされるが、ヨーロッパを始め多くの国はノンコイルマットが主流のようだ。
ということは、コイルスプリング=ベッドマットは、アメリカと日本ということだね。占領下日本時代にその辺も影響されているのかもね。

どちらもベッドマットとしての役割・必要機能は同じ

どちらのマットも”ベッドマットの役割”は、長時間骨格を歪まないで支え続けるということと、昼間行った動くの反作用運動としての寝返りや寝相が自由にできることだ。そしてそれによって安心感が得られることだ。

一言で言うと「無意識の自分を預けられる信頼感を持てるマット」かどうかがポイントで、コイルスプリングとノンコイルどちらが素材的に優れているかは問題ではない。
だから、素直に寝た時の自分の感覚に従って見極めることだ。

この2種類のマットの違いは身体の支え方にある。「点で支える」コイルスプリングマットに対して、ノンコイルマットは「面で支える」。
つまりコイルスプリングは単体のスプリングの上下振動の弾力で支え、ノンコイルはシート面に掛かった加重への下からの反発で支えるということ。

体格や好みによって個人差もあるが、ベッドマットの弾力と反発力の違いは、骨格と筋肉の付き方で向き不向きがでるだろう。また微振動が嫌いという人もいるし、それがいいという人もいる・・・これは好みだね。

姿勢による支えからの善し悪し

ベッドマットの「体を支える役割」から考えると、日本人は前屈みの姿勢(農耕民族独特の姿勢)が多い。そうした日本人の骨格や日常の姿勢からみて、適度な弾力もさることながら、コシの強さ(下からの反発力)がベッドマットには必要だ。

海外のベッドマット(あるいは海外のベッドマット製作のノウハウで作られたマット)は、欧米人がそり気味の姿勢(狩猟民族独特の姿勢)ということで、弾力や硬さはあっても下から押し上げる反発力=コシの強さに乏しい。

その点を考えると、前屈み姿勢の人はノンコイル、反り返る姿勢の人はコイルスプリングをまずは検討すべきだろう。

違和感・安心感は顔に出る

以前にコラムに書いたが、寝た時の全身の体圧分散度合いを見ても何の参考にもならない・・・マットがちゃっと身体を支えているなら人型に綺麗に真っ赤になってないといけないということからね。それに毎日身体のバランスは変わるし、時間によっても変わるからベッドマット選びには全く参考にもならない。

弾力が自分の身体を支えているどうかをみるのは、仰向けに寝てみて臀部(仙骨あたり)が落ちているかどうかの感じを見ればいい。自分に合った弾力・反発力は臀部が落ち込まず、身体をしっかり支えてくれているかどうか。
しっかり支えられているなら安心感が顔の表情にちゃんとでるよ。安心した顔は、口角が落ちて、目尻が下がるから、表情がゆるくなる。
自分に合った弾力やコシの強さは、計算とか測定の数値では出しにくいものだが、実は寝たときの表情にちゃんと出るんだよね。
ヒトも動物。違和感があったり、信頼が置けない(安心感がない)となると、身体の何処かが緊張して顔が強張るから。

寝心地は好みの部分も多いが、基本的にベッドマットは骨格を支えるのが必要機能だから、2種類のベッドマットを比べるなら、寝返りがスムーズに取れる動きができるかと安心感が得られているかどうかにフォーカスして素直な感覚で選ぶのがいい。。そしてどちらのタイプがいいかが決まったら、そのタイプのものを何種類か試して自分に合った「硬さ」のものを選ぶことだ。

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